上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top ▲
「どう読むか、どう楽しむか」

この本を読む際に、ぜひオススメしたことがある。
それは、youtubeの動画とともに、本を読み進めるということだ。

本書は、「コントロールフリーク」と称されるスティーブ・ジョブズを12年間にわたり追いつづけてきた記者が書き上げたものだ。その内容は、ジャーナリスト的な視点で、アップルコンピュータの軌跡を、スティーブ・ジョブズという希代の経営者の徹底したこだわりを、アップル製品の開発の歴史や周囲の証言とともにつまびらかに描き出した渾身のノンフィクションである。

そこで紹介されているエピソードのひとつに後に歴史上、もっとも有名な広告のひとつとして称えられることになるCM「1984」についての章がある。

以下、本書151ページから引用。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 このテレビスポットはボツになった別の広告から流用したコピーで始まる。「なぜ一九八四年は『1984年』のようにならないのか」――ジョージ・オーウェルの反ユートピア小説を指している。お蔵入りさせるには惜しいコピーだったため、シャイアット/デイはこれをアップルに売り込んだ。そして言うまでもなく、これはMacの発売におあつらえ向きだった。同社は映画『ブレードランナー』の撮影を終えたばかりの英国人監督リドリー・スコットを起用し、ロンドンの防音スタジオで広告を撮影した。スコットはスキンヘッドの英国男たちを登場させて、オーウェル風の荒涼たる未来を描き出した。巨大なテレビスクリーンからプロパガンダを発して人民(スキンヘッドの男たち)を屈服させるビッグ・ブラザー。そこへ突如駆け込んでくる、マッキントッシュのTシャツを着た女性アスリート。彼女は大きなハンマーを投げつけてスクリーンを粉々にする――。60秒間のテレビスポットにはMacどころかコンピュータはいっさい出てこない。だが、メッセージは明快だった。

《Macは抑圧されたコンピュータユーザーをIBMの支配から解放します》

 放送予定日のわずか1週間前にこれを見せられたアップルの取締役はひどく取り乱した。スーパーボウルからの広告引き揚げが命じられたが、その時間枠の転売が間に合わず、広告は放映されることになる。

 それは思わぬ結果を招いた。Macの広告は試合そのもの以上に注目と論評の的になったである。放映は2回だけだった(スーパーボウルの試合中に1回。それより前、無名のテレビ局で真夜中に1回。こちらは広告賞の資格を得るため)が、この広告は数え切れないほどのニュースや『エンターテイメント・トゥナイト』などの番組で取り上げられた。4300万人以上がこの広告を見たとアップルは試算する。当時のCEOジョン・スカリーによれば、数百万ドルの広告がただになったようなものだという。
「このCMは広告を変えた。この製品は広告ビジネスを変えた。このテクノロジーは世界を変えた」。『アドバタイジング・エイジ』誌のコラムニスト、ブラッドリー・ジョンソンは1994年の回想録でそう書いている。「それはスーパーボウルをフットボールの試合から広告のスーパーイベントに変え、ニュースとしての広告という新しい時代の到来を告げた」

 「1984年」の広告はいかにもジョブズらしい。大胆かつ向こう見ずで、当時のほかのコマーシャルとは似ても似つかない。製品を直接見せるのではなく、「1984年」は物語と登場人物をそなえた制作費の高いミニムービーだった。ジョブズはそれを考えついたり書いたりしたわけではない。監督したわけでもない。しかし、リー・クロウならびにジョイ・シャイアットと組み、彼らに創造の余地を与えるだけの賢明さがあった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

なんともスティーブ・ジョブズらしいエピソードではないか。
独創的、革新的、そして確信的。
アップルがマーケティング企業として世界的なデビューを飾った輝かしい瞬間。
そしてその瞬間を読者である私たちも今なら体験することできる。
少し前ならば、本に書かれている歴史的な出来事は、想像を駆り立てはしたものの、文字から得られるインスピレーションで味わうだけのものだった。

私はこの件を読み、すぐさまyoutubeをチェックした。
 「1984年」――その映像が披露された瞬間の人々のどよめき、興奮のさま、成功を確信したジョブズの得意満面な表情、それらをすべて体験することができる。

その興奮は私自身にも伝播し、ジョブズが成し遂げてきたことの偉大さをリアルな感情として感じていた。となると、ページをめくる気持ちがはやる。ジョブズの軌跡を追いかける。ジョブズのコトバ、徹底したこだわり、己の信念を貫くことでのみ行き着くことができる、経営者としての哲学が浮き彫りになる。

「ジョブズって人間はとんでもなく面白い!自分とは似ても似つかない超人(奇人?)で、真似られるところなんてない自分とはまったく違う人種(=天才)だと思っていたのに、そのビジネスの手法にはなんと学ぶべき点が多いことか。どんな立場にいようとも仕事をしている人間であるかぎり(いやそれ以上に生きている限り)、インスパイアされるビジネスの肝がどんどん見つかる!」

とひとしきり興奮。

ということで本書をより楽しんでいただくために、関連動画を集めてみた。
ジョブズの軌跡を、自己発見のための内省の時間となる読書と、その感情をよりリアルにしてくれる動画とともにご覧いただければ幸いだ。

ところで映画「ブレードランナー」は、私史上、最も大きなインパクトを受けた映画の中のひとつだ。当時、独特の映像の雰囲気に、「滅茶苦茶、カッコイイ!」と興奮した。映像同様、映画で流れる音楽も実にかっこよかった。

と思い、youtubeで思い出の曲を検索。おお!ヒットした。うーん、今でも決して色褪せないかっこよさ。よかったらぜひ、こちらもどうぞ。





スポンサーサイト
2008.10.22 Wed l マーケティング担当の私的レビュー l COM(0) TB(0) l top ▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。